映画の主人公になってみた

「自分の人生の主人公は自分だ」って、よく言うけど、日常じゃ自分はわき役だって思うことの方が多いですよね。でも実際に主人公になったらどんなストーリーになるんだろうって、少し気になりませんか。だから試しに書いてみることにします。

台湾旅行⑤~夜市と腕時計とアイスと~

故宮博物館からホテルに帰りつき、ひと眠り。

HPは60まで回復。

時刻は17時、さあどうしようか。

 

私と母は作戦会議を開始する。

 

今からもともと行く予定であった夜市までは少し距離がありすぎるし、もっとも有名な夜市の1つであるため、行った先で人がごった返していたら我々のHPでは持たない。

しかし、夜市は台湾名物の一つであるため、経験してみたい。

 

結果、ホテルから徒歩20分ほどの場所にある、やや小さい夜市に向かうことに決定した。

 

Googleマップを頼りに夜市へ。

日本であれば皆傘をさす強さの小雨が降っているが、街で傘をさす人は2~3割くらい。

日本人はとても繊細なのだろうか、と海外の人間観察を楽しみながら目的地へと向かう。

 

到着したのは、「寧夏夜市」。

雨でぬれた地面が、出店やネオンの光をジュワと映し出して雰囲気マシマシ。

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本日、なんだかんだでまとまった食事をとることができていなかったので、お腹の戦闘態勢は十分。

 

まずは夜市全体を歩き、購入するものを決める。

そんな空腹戦士達が最初に購入したのは、「葱油餅」。

 

半月形の平べったい揚げ餅のようなもの。手のひらより一回りほど大きい葱油餅に芽部っと食らいつく。

空腹だった胃腸と脳が踊りだす。

2人で一つでもなかなかの食べ応えのある葱油餅、普段であればあまり揚げ物を好まない母や私でも、この時は構わずパクパク食べきってしまった。

 

葱油餅を皮切りに、我々は夜市でエネルギーと幸福を捕獲するために次へと進む。

 

「大きなイカを爆撃」と日本語で書かれた店の「イカ揚げ」、WEBサイトで夜市の氷は日本人のお腹には刺激が強いという記事を読み、恐れていた氷をふんだんに使った「スイカジュース」、見た目は完全にメロンパンな「パイナップルパン」。これらをおなかに押し込めて、我々は夜市を満喫したのであった。

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元々予定していた夜市ではなかったが、雰囲気と食事を満喫したので、天気は雨でも心は晴れやかに帰路へ着く。

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心も体も少し余裕が生まれたのか、帰りがけに地下街によってみることにした。

 

実は主人公、初日の地下街で気になっていた商品があった。

それはCASIOの腕時計。

 

もちろん、made in Japan。

 

台湾に来て、なぜ日本製のものをと思うかもしれないが、あの中野サンモールのような懐かしのガラクタ時計屋で見かけた、少しレトロな風貌の腕時計がどうしてもレトロ好きな私の心から消えなかったのだ。

 

というわけで、その腕時計に会えることを願って地下へと潜り込む。

 

日本であれば、あの辺りにあるはずと見当がつけられるが、台湾初日に右も左もわからずに散策している最中で見つけた腕時計屋だったので、店がどこにあるかわからない。

自分の直感を頼りに地下街を探索する。

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すると、あの時計屋ではないが、同じ雰囲気のガラクタ時計屋が目の前に。

胸を高鳴らせながら、店のショーケースを見ていると…見つけた。

 

一昨日見ていたCASIOの腕時計、made in Japan。

まさか違う店でも出会えるとは、縁があるといっても過言ではない。

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主人公の買い物で迷った時のルールは以下の通り。

・数日たってもまだ欲しいと思えるもの

・まだ欲しいと思って見に行った時にまだ売られていたもの

は、縁があるということで、購入しても良いということにしている。

 

そのルールに則り、購入を決めた。

シルバーとゴールド、時刻の数字表記と線表記で迷ったが、スマートな女性の腕を象徴するために、シルバーの線表記を選び購入。

時計屋の優しいおじちゃんが、20%オフにしてくれた。

しっかりと説明書もつけて、私の腕にフィットするように調整をしてもらう。

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「これね、台湾で買った、(日本製の)腕時計なんだ。」

と、自慢できる日を夢見て、私の心が躍る。

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思い出の品を購入できたところで、お土産屋に立ち寄りながら、我々はホテルへと帰り着いた。

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ちなみに、夜市であれだけお腹いっぱいになったはずであるのに、地下街を歩いたことでエネルギーが消費され、再びコンビニに寄り道をしてアイスを購入して寝る前に母と二人でこっそり食べてしまったことは、ここだけの秘密である。

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続く

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